上海市にある某日系のお得意様です。
事務所棟 2階部分へ侵入する通路と本体建物への連結部が、写真に見るエキスパンション部分です。
そこを栄目に、写真で見る右側建物が沈んでいます。
■ 原因;
左側にある本体建物は、中高層建物となっており、その建物基礎には頑丈な基礎(地盤によっては杭打ちを併設する)による建物支持仕様となっています。
右側にある通路は軽微な構造体でその基礎も本体とは違う構造体と推測できます。
軽微な構造体(構造基礎)が原因で、本体棟との基礎支持仕様の違いによる原因、右側建物の沈下量が大きいからですね。
沈下対処、エキスパンションジョイントを挟んだ左右の建物で相互沈下の影響が出ない方策は;
● 対策<建物構造設計による対策>;
1) 左右の異種建物への基礎構造を連結させて、同一(一つの基礎で、上部左右の構造体を支える)構造とする。
2) 左右の異種建物への基礎地盤を同じ位置、同じ構造体仕様として上部左右建物を支える構造形式を設ける。
3) 本体建物に右側建物(写真では渡り廊下)を支えるブラケットを設け、そのブラケットに渡り廊下を橋渡しさせる構造体。
何れも、構造設計による構造仕様が条件となります。。。。
では、上記の写真の完成後の建物不具合の解消はどうするか;
■ 対処<完成後の建物不具合への対処>;
1) 右側の渡り廊下建物の沈下が収まる時期まで待つしかないでしょうね。(新築後3年ほど)
2) 新築後3年ほどで、沈下量のほぼ70パーセントは沈下し、後の30パーセントは年数と共の徐々に沈下が進むと考慮。
沈下量の推移は、建物を支える地盤(支持地盤と言う)の状況によりさまざまですので、ボーリングデータの検証が必要です。
3) 上記内容が満足であれば、沈下し仕様勝手に影響な部分を嵩上げしましょう。
仕上げによる嵩上げで、構造体へは手を付けれませんね。